転職の作文の対策とは
転職では作文が選考試験の一部としてしばしば課されます。あるいは、選考書類の一部としてあらかじめ決まったテーマの作文を出されることもあります。企業側(人事担当者)はどのような思惑で作文を選考試験に課すのでしょうか。
■試される人間力~前職までの生き方、信条、社会的関心を作文で表現
最近ではいったん、早期退職者募集でリストラに応募してしまうと、その後の就職先がなかなか難しいというデータがあります。総務省の労働力調査によれば、パートやアルバイト、派遣、契約社員などの非正規社員で働く人は、1998年で655万人でした。しかし、その10年後の2009年には何と1721万人に達しているのです。日本航空など超有名企業でもアジアの格安航空に押され何年も赤字が続くと、赤字体質から抜け出すためにリストラを断行せざるを得ず、その関連会社を含めると相当多くの人がリストラあるいは子会社へ片道切符の配置転換を余儀なくされているようです。中東でデモがおき、石油の値段が著しく値上がりし、日本ではその値上がりを最終製品に転化しにくく、立場の弱い中小企業はますます、倒産してしまうといわれています。まさにデフレスパイラルをとおりこしてスタグフレーションによる景気悪化です。耐えられなくなった企業はますます、海外に活路を見出そうとして進出を図るでしょう。日本国内では、リストラされた人と新卒で就職できない人、定年退職者だが、年金をマダもらっていないので働きたい人の雇用のパイをめぐって奪い合いが起こり始めています。このように、景気は先行き不透明ですから、転職や再就職のための選考試験対策(入社試験対策)は万全を心がけるべきです。筆記試験や一般常識、適性検査などは、対策を怠ってはいけません。いま、良い求人では1人の求人枠に応募が50件と応募倍率があり、面接重視のところでも侮れない応募の倍率となっています。また、人物重視のため、作文が入社試験(就職試験)で課されることがしばしばあります。転職の作文とは、この人は果たしてわが社の社風にふさわしいかどうか、仕事に対する姿勢はどうか、社会問題に対する自己の意見をしっかり持っているかなどがチェックされる選考試験の1部で非常に重要なウェイトを締めるのです。
実際の作文試験では、応募者が多ければその応募者の数だけ、作文の数ができるわけです。その中から貴方の作文に目が留まるように呼んでもらうには、『作文は選考試験の対策を怠っても何とかなる』という気持ちが命取りになります。過去問や例題、サンプルを通じて自分なりの考えをまとめておくべきです。そして、経済新聞を読んだり、ササイな出来事でも日記をこまめに手書きで書いたりして文章作成能力を常日頃から磨いておくことです。
■入社試験での作文の対策と過去問、そして予想問題~論理展開から演出
作文は小学校のころには人権作文や卒業作文、遠足の作文など行事があれば書かされることが多かったと思います。文章の体裁を考えずにとにかく書く、これが小学校で教えられた上達のコツです。社会人にもそれが当てはまりますが、最近はスマートフォンや携帯、パソコンにすっかりなじんでしまうと簡単にIME(ソフトの入力変換)によって文字が思ったとおりの漢字に変換できてしまうため、正しい漢字を読むことはできても書くことは忘れがちになります。慣用句、故事成語、ことわざもいざ作文で引用しようとしても漢字が正確に再現できないといったトラブルに見舞われることが多くなります。作文を書くコツとしては、論理展開で起承転結を用いるのが文章の流れとして読み手(志望企業の人事担当者)に伝わりやすいので利用しない手はありません。
作文の出題や題名(テーマ)は転職/再就職先の志望企業によりさまざまです。ここの問題集を利用するといいでしょう。